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原因療法(根本療法)と対症療法 - vol.72 -

原因療法(根本療法)とは、病気の原因を取り除いて治す治療法です。

対症療法とは、症状を抑える目的で行なう治療法です。

原因療法(根本療法)と対症療法では相対的な治療法ですが、両者を総合的に活用しながら治療に携わります。


歯科の治療で例えると、
むし歯で歯が痛むときに一時的に痛み止めを服用して、痛みを緩和する目的で行うのが対症療法です。その後むし歯の治療を行うのが原因療法と思われるかもしれませんが、むし歯になった原因を探り、その原因を取り除くことや見直すことが本当の原因療法になります。
ここまでのレベルで原因療法を行なわなければ、むし歯を治すだけの一時的な原因療法では、真のむし歯の再発は防げません。

また、根管治療の不備から発症する慢性根尖性歯周炎(根尖病巣)を抗生剤や痛み止めの服用・軟膏剤注入・レーザー照射・切開などの処置で終わる場合は対症療法にあたります。
この場合一時的な症状が緩和されてもいずれまた症状が発症することがほとんどで、治癒したのではありません。
しっかり原因を除去するには再根管治療(感染根管治療)や外科的歯内療法などで適切な処置をしなければ、原因療法には値しません。


薬や一時的な治療の多くは症状を抑えることが目的で、病気そのものに効果をもたらすものではありません。
根源から治療を行なうには原因除去をしなければなりません。


また原因療法と対症療法をうまく両立させるには患者さんの自然治癒力も需要なファクターになりますから、歯科治療の場合、適切な歯磨き法の習得と食事管理を主体に生活習慣を見直すことがもっとも大切な要素になるでしょう。