むし歯・歯周病/その他の症状・原因は?
レントゲン写真で見る各症状
症例 1 / 歯がしみる
「歯がしみる」とのことで来院されました。
- レントゲン診査してみると、削った歯の部分にしっかりとかぶせ物が合っていません。(矢印 赤)
- 精度の悪い金属のかぶせ物を入れたことによって、むし歯が再発(二次カリエス)したと思われます。
症例 3 / 歯肉に違和感があります
1年前に治療したにも関わらず、最近歯肉に違和感があり来院されました。- A の歯には全体を覆う金属のかぶせ物が装着されており、本来削った部分(矢印 黄)まで覆わなければならないのですが覆われていません。黒くなった部分がむし歯の再発です。汚れが溜まりやすいため広範囲にむし歯が進行し、すでに神経が除去してあるためむし歯が大きくなるまで気づかなかったようです。
- B の歯は部分的に金属のかぶせ物が入っていますが、A の歯と隣同士で、汚れが常に同じように付着していたため、むし歯が発生しています。(矢印 赤)むし歯が大きくなりそれに伴い歯肉が炎症を起こし、違和感を感じていたようです。
症例 4 / フロスを使うと切れてしまいます
最近治療を終えたにも関わらず、フロスを通すと毎回引っかかったり、切れたりするのが気になると来院されました。
- 歯全体にかぶせた金属冠 A
- 部分的にかぶせ物をした金属 B
- 同時にかぶせ物をしたようですが、両方とも合っていないため、フロスを通すと引っかかったり、切れたりする原因が判明しました。
症例 5 / 歯間ブラシが引っかかってうまく通りません
「歯周病予防のため最近歯間ブラシを使い始めたのですが、ここだけ引っかかってうまく通りません」と言われました。
- レントゲン診査してみるとかぶせた冠が鋭く出っ張っているため、歯間ブラシが引っかかるようです。
このような環境ですと汚れが溜まりやすく、むし歯・歯周病の再発にもつながります。
症例 6 / 食べものがよくはさまります
「食事のたびに物がはさまり、気になる」と言われました。
- レントゲン診査してみるとかぶせた冠の精度が悪く(矢印 赤)、その周囲に歯石(矢印 黄)が付着しています。
症例 7 / かぶせた歯に隙間があるみたいです
「かぶせた歯に隙間があるようで、かぶせ物をやり替えたい」と来院されました。
- レントゲン診査してみるとかぶせてある全ての歯の周囲に隙間(矢印 赤)があり、むし歯が再発していました。
症例 8 / 汚れが溜まっているみたいです
「汚れが溜まっているようで気になる」と言われました。
- 全体をかぶせる冠が装着されていますが、削った部分よりもかなり大きめにかぶせ物が作られ、装着されています。(矢印 赤)
- 汚れが溜まりやすく、むし歯・歯周病にもなりやすい環境です。
治療精度の重要性
レントゲン像からかぶせ物を検証すると、せっかく治したにも関わらず精度の悪いかぶせ物が装着されたことで、かえって歯・歯周組織・骨に悪影響を及ぼしている場合があります。
治した歯ほど歯磨きを怠たれば、むし歯・歯周病に罹患する率は高くなりますが、治した歯の歯磨きがしにくい環境、汚れ・細菌が溜まりやすい状態であればどうでしょう。
削った部分をしっかり人工物でかぶせ、段差のないもので修復されていなければ、丁寧に歯磨きをしても汚れが取りきれません。
むし歯・歯周病を見直すには、予防はもちろん、かぶせた物の精度にも大きく左右されることを知っておかれるとよいでしょう。
歯は小さな臓器です。ミクロンの治療が要求されます。
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