マイクロスコープ/原因追究
口腔内観察
患者さんの気にされている部位をマイクロスコープにて拡大観察してみました。
症例 1 / 65歳 女性
全顎の治療を希望され来院された患者さん。
- 治した歯ですが頬の内側がすれたり、冠に爪が引っかかるんですが、私の歯はこのままで大丈夫でしょうか?と心配されていました。
- 診査の結果、全体的にかぶせ物の精度の悪さからむし歯の再発がほとんどの歯にみられ、特に爪が引っかかる部位の段差は驚きでした。
周囲の歯と比較しながら観察してみましょう。
症例 2 / 21歳 男性
セラミックの歯を入れたんですが、最近歯茎の部分が黒くなってきたので見てほしいと来院されました。
- 隙間は少ないようですが、隙間に汚れが入り込み着色し始めたようです。
- 少しの隙間ですが、汚れが付着しています。
症例 3 / 37歳 女性
歯肉の腫れを繰り返していたため来院されました。
- 歯肉の腫れが引いた時に歯とかぶせ物の接合部を観察すると、隙間があり、かぶせ物を接着するときに使ったセメントも厚く残っている状態です。
- これでは汚れが溜まり、歯肉に炎症を起し腫れてしまうでしょう。また、むし歯も再発します。
症例 4 / 25歳 女性
「歯と歯茎の境目の変色が気になる」と来院された患者さん。
- 肉眼で観察しても隙間が確認できます。
- 変色部をエアー乾燥し、マイクロスコープで拡大観察すると、歯とかぶせ物の間に隙間があります。
- そしてその隙間に汚れ・プラークが付着しています。このように隙間があるとむし歯になりやすく、また周囲の歯肉は、炎症を引き起こし発赤・腫脹の原因となります。
症例 5 / 52歳 女性
全顎治療を希望して来院された患者さん。
- 診査の結果 歯と歯肉の隙間(歯周ポケット)からの排膿が多く見られました。
- マイクロスコープで歯とかぶせ物の接合部を観察すると、1mm程度の段差があり、段差の溝に膿が入り込んでいます。
- 削った部分に合っていないかぶせ物が入っていたために化膿しやすい環境になっていました。
- このような環境は自分では気付かないことがほとんどです。
抜去歯観察
ここでは保存不可能となり抜歯した歯のかぶせ物を拡大観察してみましょう。
抜去歯 3(全体を覆う金属のかぶせ物)
- 歯とかぶせ物に隙間があったり、かぶせ物を付けるときに使うセメントの取り残しがあると、周囲に汚れが溜まりやすく、歯石も付着しやすくなります。
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