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歯周病 Part 3 歯を磨くと出血するのは なぜ? - vol.49 -

歯磨きをすると歯肉から出血します。どうしてでしょうか?


主な原因は2つ考えられますが、原因の多くは歯肉に炎症(歯肉炎や歯周炎)があるためです。

歯と歯肉の堺目に歯垢が溜まると歯肉に炎症が起こります。そして進行とともに歯肉が赤くブヨブヨし、腫れぼったくなってきます。

炎症を起こした歯肉は細菌から身を守ろうと免疫作用が高まります。そこで細菌と戦うための白血球が集合するため無数の毛細血管が集まることで炎症がある歯肉は赤く見えるのです。

歯肉が熟れたように赤く炎症を起こし、腫れている場所には多くの細くて弱い毛細血管が集まっているため歯ブラシのような機械的な刺激で血管が容易に破れて出血します。これが炎症に伴う歯肉の出血です。
(白血球は体内に入ってきた病原体を食べる貧食作用を備えているため、歯肉に炎症が起こると炎症部に集合し、外敵の細菌から身を守ろうとします。)


もう1つは不適切な歯磨き方法が原因で歯肉が傷つき出血が起こります。過度な力で歯肉を擦ったり、無理矢理歯間ブラシなどを通すことにより、歯肉がずり剥けてしまった場合に出血が起こります。歯磨きをするたびに歯肉がヒリヒリするような場合はこのようなことが考えられます。


このように歯肉からの出血は炎症に伴う出血、不適切な歯の磨き方による出血が主な原因ですが、間違った解釈をされている方がいますのでここで少し補足したいと思います。

「歯磨きをして血が出るようなら、悪い血だからどんどん磨いて出して下さい。」このようなことを聞いたことはありませんか?これは非常に間違った解釈ですから気を付けて下さい。ただ闇雲に血を出せば歯肉が治るわけではありません。間違った歯磨きで出血を繰り返していたらそれはただ歯肉をいじめているにすぎないのです。意図的に炎症を起こしている歯肉を擦るような歯磨き方法はとても危険な行為です。


歯肉の炎症の原因は本来歯肉にあるわけではありません。歯肉が炎症を起こすのは、歯に付着した歯垢が発端ですから、歯肉を一生懸命磨いたり、マッサージをしても本来の意味をなさないのです。大切なのは歯の表面に付着した歯垢をいかに歯肉を痛めずに歯磨きで落とすかなのです。


間違った方法や解釈をしていると知らず知らずのうちに歯や歯肉に大きなダメージを与えてしまっているかもしれません。正しい知識と適切な歯磨き方法があって始めて健康な口腔内環境が保てます。