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歯周病 Part 1「歯肉炎の分類について」 - vol.47 -

「歯周病について」 詳細な内容を何回かに分けて紹介したいと思います。


歯肉炎は歯周炎の初期段階で、歯肉に限局して炎症が起きている状態を言います。
歯肉炎にもそれぞれ特徴がありますので、ここで説明したいと思います。

単純性歯肉炎
ほとんどの歯肉炎がこの単純性歯肉炎に分類されますが、プラークによって歯肉に炎症が起こった歯肉炎です。


複雑性歯肉炎
プラークだけでなく、全身あるいは特殊な局所因子が関与し、歯肉に炎症を引き起こす歯肉炎です。


・妊娠性歯肉炎
 妊娠中のホルモンバランスの変化によって引き起こす歯肉炎です。
 女性ホルモンの分泌が亢進されることにより、歯周ポケット内に常在する菌(Prevotella intermedia)
 の発育が促進され、口腔内清掃状態が悪い場合、この歯肉炎を引き起こす確率が高くなります。
 口腔清掃により症状は軽減し、分娩によって消失するのが特徴です。


・フェニトイン(ダイランチン)性歯肉炎
 抗けいれん薬の服用に関与して引き起こす歯肉炎で、歯肉が硬く腫れ、重度の場合は歯を覆いつくすほど腫
 れることもあります。


・ニフェジピン性歯肉炎
 降圧剤の服用に関与して引き起こす歯肉炎です。 


・急性壊死性潰瘍性歯肉炎
 急激に発症し、歯肉壊死・潰瘍形成・偽膜形成、自発痛および接触痛が強く、出血もしやすく、強い口臭を
 特徴とした歯肉炎です。
 原因はよくわかってはいませんが、プラーク・ストレス・喫煙・栄養障害などが考えられます。


・慢性剥離性歯肉炎
 歯肉の表面の上皮が剥がれ落ち、びらんを形成し、痛みが発症する歯肉炎です。
 2~3歯に限局するものから口の中全体に及ぶものまでさまざまです。
 原因はよくわかってはいませんが、甲状腺機能の異常・性ホルモン異常・栄養失調などが考えられます。


・口呼吸性歯肉炎
 口呼吸の習癖がある場合、歯・歯肉・粘膜などが乾燥状態になりやすいため、プラークが歯に付着しやすく
 なります。また唾液の防御作用の活躍が期待できなくなることで歯肉の抵抗力が弱まり、歯肉に炎症を引き
 起こしやすくなります。


歯肉外傷
 歯肉外傷は、硬い食べ物や乱暴な歯磨き、薬物、高温、医原性が原因で歯肉が損傷したものです。



歯肉炎にも多くの分類があり各派で分類方法は異なりますが、代表的な歯肉炎を取り上げました。歯肉炎もプラークだけでなくいろいろな要因で発症することがありますが、常に口腔内を清潔にすることで、発症しないように予防に目を向けることが大切です。また発症した場合でも、適切な予防法、歯磨き方法の習慣で進行や悪化を抑えることができます。