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歯ブラシの選択について - vol.27 -

歯ブラシはどんなものが適切でしょうか?

適切な歯ブラシの選択は、適切な歯の磨き方と平行して重要なことです。そして口の中の状態と目的に合ったものを選択することが大切です。


皆さんの選択基準はなんですか?

 「見た目がかわいいから…」
 「新発売されていたから…」
 「歯医者で勧められたから…」
 「コマーシャルで見てよさそうだったから…」
 「毛先が細い方が汚れが落ちそうだから…」
 「歯ブラシが使っていてすぐダメになるから、安いのをたくさん買っています」



など選択基準はさまざまですが、大切なことは歯肉を傷めず、歯に付着した汚れをしっかり確実にしかも効率よく落とすことができるブラシかどうかが問われます。


プラークは歯の表面に糊のようにネバネバした状態でへばりつくため、歯ブラシの毛先を歯面にしっかり当て、歯ブラシの毛先と弾力を使いプラークを弾きとばす要領でなければ効率よく確実に除去できません。そのため適度な歯磨き方法とコシがある歯ブラシが必要になります。


ベーシックな1本を選択するなら…



歯ブラシの柄はストレートハンドルが基本です。ブラシの部分は断面が長方形で、毛先が平坦に揃っていて、ナイロン製がお勧めです。硬さは「ふつう」タイプがよいでしょう。
シンプルな歯ブラシほど使い方を熟知すれば、大変使いやすいものです。


テレビのCMで歯ブラシの毛先の極細毛が、歯周ポケットの中の汚れをあたかも簡単に取れるような映像でアピールしているのをよく目にしますが、はたして映像のように実際に汚れが落ちているのか疑問に感じませんか?専門的な立場から厳しい意見を言わせてもらうと実際にはまずあり得ない映像です。CGだからできる方法と言えるでしょう。

極細毛は毛先が細すぎるため、使い方によっては歯肉に突き刺さりかえって歯肉を痛めてしまいます。そして毛のコシが弱いため効率よくプラークを弾きとることができません。特に歯肉に炎症がある場合の使用は避けたい形状です。コマーシャルなどでは毛先が歯周ポケットに入り込んで磨いていますが、見た目で歯肉に炎症がある場合、歯周ポケット内は表面よりさらに炎症がありデリケートな状態です。そのような状態で毛先のとがった形状の歯ブラシで磨いたらどうなるか想像できると思いますが…
極細毛タイプの歯ブラシは健康な歯肉でしかも歯磨きを熟知している方でも使い方が難しいため、歯肉炎・歯周病そしてあまり歯磨きが得意でない方には、第一選択としてはお勧めしません。


歯ブラシ選択はとても重要な要素ですから歯磨き方法を交えてしっかりとした歯ブラシ選択をお勧めします。
選択に迷っている方は、あなたの口腔内をよくわかっている掛かりつけの歯科医院に相談して選択されるとよいでしょう。