開院して20年 振り返ると… - vol.101 -
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2000年浜松市中区にて自由診療専門歯科医院として新規開業し20年が経過しましたが、早いもので歯科医療に携わり26年という月日が経過し、改めて強く思うことがあります。
予防と向き合う
歯科治療において精密治療や審美治療や噛み合わせ治療も大切なことですが、やはり予防がもっとも大切だということです。
歯科の二大疾患であるむし歯と歯周病のほとんどは生活習慣病ですから、多くは食生活と歯磨き習慣を見直すことで予防できるのですが、一時的な予防や上辺だけの予防では本来の効果は望めません。真摯に向き合う姿勢の方が本来の効果が得られ、より良い口腔内環境を維持できるのです。
どんなに精密に美しく補綴物を装着しても、患者さんの食生活や歯磨き習慣に問題があれば再発する確率が高くなるというより再発しない方がおかしいと言っても良いでしょう。
その反面むし歯の程度にもよりますが… むし歯が存在しても的を射た歯磨きと食生活管理が徹底していれば、かなりのレベルで進行を抑えることも可能なのです。
また、糖分摂取が多いと細菌の活動が活発になることで細菌増殖し、結果的にプラークがべったり歯に付着します。また悪い細菌を食べてくれる血液中の白血球の働きが鈍ってしまい、血液や唾液がネバネバしたり、結果的に体の免疫力が低下してしまい歯周病にも悪影響を及ぼしたり、治療効果や治癒も望めなくなります。
歯磨きをしっかりしていれば食べ物や飲み物の制限は必要ないと考えている医療者もいますが、真の予防を真剣に考えるとむし歯や歯周病菌の増殖を抑えることを先ず第一に考える必要があり、第二に除去することだと思います。よって菌の増殖を抑えるため餌となる糖分摂取の見直しをするために食事指導を行い、それと伴って菌を除去する適切な歯磨き指導が大切なのです。そしてそこに精密な治療が加わることで治療歯を長持ちさせることが可能となるのです。
もちろんこれらのことは歯を大事にしたい方 再治療を極力繰り返したくない方に対して積極的に提案していますが、好きな甘い物を控えてまでの予防は嫌だ 再発を切り返してもいいので好きなように制限しないで食べる・飲むという方にはただの耳障りな話になってしまうでしょう。
一昔前の「食べても・飲んでもいいけど、歯磨きだけはしっかりして下さい。」の時代は終わり、歯磨きよりも食生活の見直しの方が大事な時代になっています。
周りを見渡せば甘いものばかりが溢れ、果物まで糖度を競うほどになっています。そのため常に気を付けていなければ細菌の餌となる糖分が口の中に入る機会が増えます。
また、歯磨き予防と食生活管理がしっかりできていても、喫煙習慣があれば充分な予防効果は期待できません。
喫煙は、歯・歯肉・歯槽骨に与える影響が大きく、特に歯周病に罹患している場合は進行を抑えることは難しいでしょう。またインプラントや外科治療が必要な方には本来の治療効果が望めないことも多いでしょう。
喫煙は口腔内環境を整えるうえで、多くのマイナス因子はあってもプラス因子はありません。
治療内容もそうですが、予防法も個々に異なるため一律のマニュアルはなく、個別の指導が必要です。ここが歯科医療の難しいところですが面白みがあるところです。
同じ目標や考えで予防や治療を行っていくと、思いがけぬ効果が現れたり、期待以上の結果になることも多く体験しました。しかしその反面、人任せであったり、上辺の予防のみで真剣に取り組まない場合やすぐに結果が出ないと諦めてしまう場合は、期待するような結果は思うように現れません。
適切な治療やしっかり予防に取り組めば期待以上の効果が望めそうな場合でも、自ら放棄してしまっていることもあり、結果的に残念な結末も多く目にしています。
救済治療
本来は抜歯と言う選択肢が適切な歯根破折歯の接着修復も救済治療として取り入れてから8年が経過しました。
私は、破折歯の接着治療について患者さんに期待を持たせるために行っているものでもなく、最良の治療とは決して思ってはいませんが、リスクを承知の上で歯をできるだけ温存したいと思うなら、希望に少しでも応えられるようにと思い取り入れている治療法で、自分の歯が少しでも長く利用でき、患者さんの喜びにつながればと思い取り入れました。
歯根破折歯の治療は医療者から賛否両論の意見がありますが、私自身もともとこの治療法を手掛ける前は消極派で、HPの私考「vol.73 歯根破折 治療(救済治療)」で治療を手掛ける経緯や情報を掲載しました。この時と今では若干感じることが異なることがあります。
それは…
破折線に沿って深く歯周ポケットが存在した場合は、その後の歯周ポケットの存在がカバーしきれないと思っていましたが、外部接着後の経過を注意深く観察すると、歯周ポケットは正常に回復している場合が多く、歯周ポケットが原因で新たにペリオ的な問題が発生した経験は今のところありません。むしろ本当に接着修復した歯なのかわからない程回復している場合がほとんどです。
どうしてこのようなことが起きているのか今現在解明はできていませんが、生体の治癒力・修復力によってこのような結果をもたらしているように思います。
感染源を除去し、治癒する環境を整えてあげれば、生体は治ろうとするものだと再認識させられました。
このことは、何が何でも歯を残したいと常に歯磨きや食事管理を実行されている場合に感じることで、中には手薄になる患者さんに関しては、破折線に沿って存在する歯周ポケットが顕著で、それがもとで状況や経過が徐々に思わしくなくなる場合や抜歯せざる負えない結果も体験しました。
総合的に見てると患者さんの協力なくして歯の保存や予防には限界があります。双方協力し合わなければ成り立ちません。
医療内容が良くても予防対策に落ち度があれば… 歯の寿命は短くなります。
予防対策が良くても医療内容に落ち度があれば… 歯の寿命は短くなります。
また当たり前のことですが、処置歯や厳しい環境で保存をした歯ほどよりしっかり予防に目を向けなければなりません。
この地で20年歯科医療に携わり強く思うことは、適切な治療と予防が行われていれば期待以上の結果になることもありますが、その反面、どこか手薄な場合はそれなりの結果になること。当たり前のことですが経験が増すにつれ思うことです。
何事にも
一生懸命だと知恵が出る
中途半端だと愚痴が出る
いい加減だと言い訳が出る
何事にも一生懸命取り組めば、いろいろアイデアや工夫しようと知恵や考え湧き、積極的に前向きに取り組めるようになります。たとえすぐに結果が実らなくても一生懸命取り組んでいれば、何か手に入れられるものがあります。
中途半端な姿勢で物事に取り組むと、「なんで出来ないんだ」と愚痴が出ます。ただ言われたことだけをこなすだけでは、一生懸命行っているとは言えません。どうすればより良くなるかを考えることが一生懸命やるということなのです。
ただ言われていることだけをやる人は成長がなく、いつまでたってもできないことができるようにはなりません。それが愚痴になって現れるのです。
いい加減や適当にやっている人は、できなかったことを正当化しようとし、自分は悪くない、環境が悪い、周りが悪い、知らなかった、忙しい、時間がなかったなど、自分は悪くないと…、できないことを何とか正当化しようとする姿勢が言い訳になるのです。
全ては物事に取り組む姿勢次第です。
予防と向き合う
歯科治療において精密治療や審美治療や噛み合わせ治療も大切なことですが、やはり予防がもっとも大切だということです。
歯科の二大疾患であるむし歯と歯周病のほとんどは生活習慣病ですから、多くは食生活と歯磨き習慣を見直すことで予防できるのですが、一時的な予防や上辺だけの予防では本来の効果は望めません。真摯に向き合う姿勢の方が本来の効果が得られ、より良い口腔内環境を維持できるのです。
どんなに精密に美しく補綴物を装着しても、患者さんの食生活や歯磨き習慣に問題があれば再発する確率が高くなるというより再発しない方がおかしいと言っても良いでしょう。
その反面むし歯の程度にもよりますが… むし歯が存在しても的を射た歯磨きと食生活管理が徹底していれば、かなりのレベルで進行を抑えることも可能なのです。
また、糖分摂取が多いと細菌の活動が活発になることで細菌増殖し、結果的にプラークがべったり歯に付着します。また悪い細菌を食べてくれる血液中の白血球の働きが鈍ってしまい、血液や唾液がネバネバしたり、結果的に体の免疫力が低下してしまい歯周病にも悪影響を及ぼしたり、治療効果や治癒も望めなくなります。
歯磨きをしっかりしていれば食べ物や飲み物の制限は必要ないと考えている医療者もいますが、真の予防を真剣に考えるとむし歯や歯周病菌の増殖を抑えることを先ず第一に考える必要があり、第二に除去することだと思います。よって菌の増殖を抑えるため餌となる糖分摂取の見直しをするために食事指導を行い、それと伴って菌を除去する適切な歯磨き指導が大切なのです。そしてそこに精密な治療が加わることで治療歯を長持ちさせることが可能となるのです。
もちろんこれらのことは歯を大事にしたい方 再治療を極力繰り返したくない方に対して積極的に提案していますが、好きな甘い物を控えてまでの予防は嫌だ 再発を切り返してもいいので好きなように制限しないで食べる・飲むという方にはただの耳障りな話になってしまうでしょう。
一昔前の「食べても・飲んでもいいけど、歯磨きだけはしっかりして下さい。」の時代は終わり、歯磨きよりも食生活の見直しの方が大事な時代になっています。
周りを見渡せば甘いものばかりが溢れ、果物まで糖度を競うほどになっています。そのため常に気を付けていなければ細菌の餌となる糖分が口の中に入る機会が増えます。
また、歯磨き予防と食生活管理がしっかりできていても、喫煙習慣があれば充分な予防効果は期待できません。
喫煙は、歯・歯肉・歯槽骨に与える影響が大きく、特に歯周病に罹患している場合は進行を抑えることは難しいでしょう。またインプラントや外科治療が必要な方には本来の治療効果が望めないことも多いでしょう。
喫煙は口腔内環境を整えるうえで、多くのマイナス因子はあってもプラス因子はありません。
治療内容もそうですが、予防法も個々に異なるため一律のマニュアルはなく、個別の指導が必要です。ここが歯科医療の難しいところですが面白みがあるところです。
同じ目標や考えで予防や治療を行っていくと、思いがけぬ効果が現れたり、期待以上の結果になることも多く体験しました。しかしその反面、人任せであったり、上辺の予防のみで真剣に取り組まない場合やすぐに結果が出ないと諦めてしまう場合は、期待するような結果は思うように現れません。
適切な治療やしっかり予防に取り組めば期待以上の効果が望めそうな場合でも、自ら放棄してしまっていることもあり、結果的に残念な結末も多く目にしています。
救済治療
本来は抜歯と言う選択肢が適切な歯根破折歯の接着修復も救済治療として取り入れてから8年が経過しました。
私は、破折歯の接着治療について患者さんに期待を持たせるために行っているものでもなく、最良の治療とは決して思ってはいませんが、リスクを承知の上で歯をできるだけ温存したいと思うなら、希望に少しでも応えられるようにと思い取り入れている治療法で、自分の歯が少しでも長く利用でき、患者さんの喜びにつながればと思い取り入れました。
歯根破折歯の治療は医療者から賛否両論の意見がありますが、私自身もともとこの治療法を手掛ける前は消極派で、HPの私考「vol.73 歯根破折 治療(救済治療)」で治療を手掛ける経緯や情報を掲載しました。この時と今では若干感じることが異なることがあります。
それは…
破折線に沿って深く歯周ポケットが存在した場合は、その後の歯周ポケットの存在がカバーしきれないと思っていましたが、外部接着後の経過を注意深く観察すると、歯周ポケットは正常に回復している場合が多く、歯周ポケットが原因で新たにペリオ的な問題が発生した経験は今のところありません。むしろ本当に接着修復した歯なのかわからない程回復している場合がほとんどです。
どうしてこのようなことが起きているのか今現在解明はできていませんが、生体の治癒力・修復力によってこのような結果をもたらしているように思います。
感染源を除去し、治癒する環境を整えてあげれば、生体は治ろうとするものだと再認識させられました。
このことは、何が何でも歯を残したいと常に歯磨きや食事管理を実行されている場合に感じることで、中には手薄になる患者さんに関しては、破折線に沿って存在する歯周ポケットが顕著で、それがもとで状況や経過が徐々に思わしくなくなる場合や抜歯せざる負えない結果も体験しました。
総合的に見てると患者さんの協力なくして歯の保存や予防には限界があります。双方協力し合わなければ成り立ちません。
医療内容が良くても予防対策に落ち度があれば… 歯の寿命は短くなります。
予防対策が良くても医療内容に落ち度があれば… 歯の寿命は短くなります。
また当たり前のことですが、処置歯や厳しい環境で保存をした歯ほどよりしっかり予防に目を向けなければなりません。
この地で20年歯科医療に携わり強く思うことは、適切な治療と予防が行われていれば期待以上の結果になることもありますが、その反面、どこか手薄な場合はそれなりの結果になること。当たり前のことですが経験が増すにつれ思うことです。
何事にも
一生懸命だと知恵が出る
中途半端だと愚痴が出る
いい加減だと言い訳が出る
何事にも一生懸命取り組めば、いろいろアイデアや工夫しようと知恵や考え湧き、積極的に前向きに取り組めるようになります。たとえすぐに結果が実らなくても一生懸命取り組んでいれば、何か手に入れられるものがあります。
中途半端な姿勢で物事に取り組むと、「なんで出来ないんだ」と愚痴が出ます。ただ言われたことだけをこなすだけでは、一生懸命行っているとは言えません。どうすればより良くなるかを考えることが一生懸命やるということなのです。
ただ言われていることだけをやる人は成長がなく、いつまでたってもできないことができるようにはなりません。それが愚痴になって現れるのです。
いい加減や適当にやっている人は、できなかったことを正当化しようとし、自分は悪くない、環境が悪い、周りが悪い、知らなかった、忙しい、時間がなかったなど、自分は悪くないと…、できないことを何とか正当化しようとする姿勢が言い訳になるのです。
全ては物事に取り組む姿勢次第です。
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