トップページ > 私考 > vol.6 歯科医療の発展 …


歯科医療の発展 - vol.6 -

歯科医療は飛躍的な発展を遂げています。インプラント ・ 歯周外科 ・ 再生医療と素晴しい発展と技術が最近話題にされます。確かに状況をしっかり判断した上で、優れた知識 ・ 技術をもって取り組めば良い結果が得られ、救われる患者さんも多々いますし、価値のある治療と言えるでしょう。技術の発展は非常に喜ばしいことですが、その反面少し気がかりなこともあります。それは、一部の医療者を除いて、インプラントありきの治療スタイルに大きなウエイトをおき、複雑で外科中心の歯科医療が最善であると錯覚を起こしていることです。要するに保存可能な歯に対しても必要以上に手を加えすぎる傾向にあったり、神経をとった歯は長持ちしないから早めに抜いておきましょうなどと、患者さんに様々な面で負担になってきています。

世に存在する自然(天然)にかなう人工物はあるのでしょうか?どんなに知識があって技術が発展したとしても、自然から創り出されたものにはかなわないのではないでしょうか?自然を安易 ・ 無計画に破壊してしまえば、決して元には戻せません。たとえ優れた人工物で修復したとしても、言い換えればそれはただの人工物に置き換えただけに過ぎません。

そんなことから、私は本来人間が持っている治癒能力をできるだけ引き出し、必要以上に手を加えない最小限の処置で最大限の成果を発揮する医療を提供したいと思っています。もちろん治癒能力のみでは改善しないものには惜しみなく手助けし、可能な限り精密な処置を心掛けます。結果的にどんなに頑張っても自然のものにはかなわないでしょうが、自分の口、自分の家族にしてあげたい医療を皆さんにも提供し、自然にも勝るとも劣らないものを提供できるよう取り組みます。