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再植法

症例 9 - vol.97 -

37歳 女性




「現在通院中の歯医者で一番奥歯にむし歯があり、噛み合わせ治療が必要と言われ咬合調整をしましたが、時々痛くなるので心配です。しっかり診て頂きたくて…」と来院されました。




患歯(矢印)の根尖周囲に透過像が確認できます。(囲い)

次回から治療を開始する予定でしたが、ご懐妊されたため患者さんの希望で出産後に治療することになりました。








2年2ヶ月後
金属の被せ物が脱離し再来院
今まで時々痛みはあったようですが、これを機に本格治療を望まれました。








根管内診査
口蓋根の根管充填剤を除去していくと、途中で分岐?し、排膿を認めました。
穿孔しているかもしれません。
患者さんと話し合い、昔に何度も根管治療を切り返し、そのたびに痛みが伴って辛い思いがあるのでできるなら先生が手掛けている再植法でお願いしたいと希望されたため、再植法で対応することにしました。








再植に先立ち、Extrusionを行います。








順調に挺出しました。








抜歯窩には炎症性組織 膿が充満しています。


   










炎症性組織を掻爬していくと… 水酸化カルシウムらしきものが多量に出てきます。










掻爬しました。






 






口蓋根の分岐部にGPが飛び出ています。
頬側近心根と頬側遠心根の分岐部内側に炎症性組織が認められます。


 







3根管の根管充填剤(GP)を除去すると、口蓋根管(矢印 赤)と頬側近心根管(矢印 黄)に穿孔が認められました。
(抜去歯固定器具は当医院オリジナル特注治具  株式会社ジーアクトさん製作)









歯根側から見た口蓋根の穿孔部









歯根側から見た頬側近心根の穿孔部


 









再根管治療 根管充填 逆根管充填 穿孔修復 デブライドメントを行いました。









口蓋根穿孔部の修復









頬側近心根穿孔部の修復









歯根側から見た穿孔部修復箇所









再植直後









1ヶ月後









2ヶ月後








3ヶ月後
透過像が縮小してきました。









5ヶ月後
ビルドアップして1ヶ月後








7ヶ月後
最終補綴物を装着しました。








1年7ヶ月後
経過良好です。
透過像がほぼ消失しました。








3年5ヶ月後
透過像が完全に消失しました。
(第1小臼歯 歯髄炎のため根管治療中)
(第2小臼歯 AIPC法にて経過観察中)