トップページ > 救済治療・再生療法 > 再植法 … > vol.46 症例 2 …


再植法

症例 2 - vol.46 -

62歳 女性



「根の治療を何回も繰り返しました そのたびに痛みがあって辛かったです。治療をして頂いた先生からはしっかり根の治療の薬で塞ぎましたから大丈夫と言われたのですが、ずっと違和感が続いているのでどうも心配でなりません。」と来院されました。



根の治療はされているようですが、根尖周囲に透過像が見られます。現時点では根尖病変か治癒してきているのかわかりません。
また歯頸部から根中央に向かって骨吸収が認められます。穿孔もしくは破折を疑いました。







ハイブリットジャケット冠・支台を除去すると根管内に排膿を認めました。








根管充填剤を除去していくと出血が認められます。根中央部の遠心部に穿孔(パーフォレーション)を認めます。

 





穿孔部からはみ出た根充剤が大量に出てきます.








根管内からは穿孔部から外にはみ出た一部の根充剤は取れませんでしたが、穿孔部がしっかりと確認できます。


穿孔部からはみ出た根充剤の除去、穿孔部の封鎖、根管治療を確実に行うため、意図的再植法で対応することにしました。







抜歯してみると2~3mm程の穿孔があり、周囲歯質は画像ではわかりにくいですが、歯根吸収が広範囲に認められます。








不良肉芽の除去、根管充填剤の除去、そして穿孔部の清掃研磨を行いました。








根管充填及び広範囲の穿孔と歯根の吸収面をSBにて修復しました。広範囲になりましたがこれで穿孔部の閉鎖と歯根表面の段差は改善できました。

本来穿孔部の封鎖には根充剤(ガッタパーチャ)は使用しません。なぜなら湿潤した穿孔部を完全に塞ぐことができず、強度がない素材であるためガッタパーチャで塞ぐことに無理があるのです。








再植直後








1ヶ月半後 ビルドアップ後のレントゲン写真
根尖周囲の骨が安定してきました。
動揺もなく、噛んでも健全歯と変わらないようです。








4ヶ月半後 
特に問題ありません。 咬合面のみメタルタイプの当医院オリジナルのプロビジョナルを装着中
第1大臼歯(再根管治療中に近心根に破折線が認められ、観察中)








6ヶ月後
根尖周囲の骨が周囲と変わらない程緻密化してきました。
穿孔部も安定しています。








1年2ヶ月後
経過良好です。
他の3歯は根管治療済です。








1年4ヶ月後
補綴物を装着しました。
穿孔と歯根吸収していたため広範囲にSBにて修復しましたが、SB上までは骨の再生は認められません。しかし感染は認められず、初診時に気になっていた違和感は一切ないようです。