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歯の移植(自家歯牙移植)

症例 1 - vol.100 -

67歳 女性




「先生に折角再植治療で治して頂いたんですが… 自身の病気から心臓手術と長期療養が必要になり、歯のケアまで手が回らずダメになった感じがします。」と来院されました。

再植半年後あたりから持病の心臓病で生活に支障が出始めたため、思い切って今のうちにということで心臓手術を受けました。生活リズムや習慣も変わり、様々な影響からか調子が良かった再植歯に急激にトラブルが起き始めました。心臓手術後は歯科治療が遠のき主にブラッシングで様子を見ていましたが、10ヶ月後 心臓手術の経過も良好で主治医からも積極的な歯科の観血処置の許可が出たため、この歯の保存は諦め、前歯をドナーとした歯牙移植を行う計画を立てました。








再植歯(矢印 赤)の近心側の骨吸収が進んでいます。カリエスがかなり深く進行し骨吸収も始まったこの歯は抜歯し、隣在歯(矢印 青)の歯を矢印赤に移植 その後矢印黄の歯を小臼歯部の矢印緑周囲に移植し、最終的にブリッジによる短縮歯列補綴にて対応することにしました。








連結冠を除去し仮歯を利用してドナー歯(側切歯)と抜歯する歯(犬歯)をExtrusionします。犬歯は近心側の骨吸収を少しでも回復したうえで側切歯の移植を行いたいため、Extrusionしています。








挺出してきました。








犬歯を抜歯し、側切歯(ドナー歯)の再根管治療 根管充填は歯根先端1/3を行い、その後ファイバーポストを行うための空隙を確保し移植しました。








1ヶ月後








2ヶ月半後








4ヶ月半後  
ビルドアップ 仮歯を装着して1ヶ月後








右側中切歯(ドナー歯)のExtrusionを開始します。










ドナー歯を抜歯後 根管に残していた残りの支台(ポスト)を除去し、再根管治療 根管充填 
トリミング後小臼歯部にソケットを形成し、移植しました。
移植歯はマイクロインプラントを利用して固定しました。









1ヶ月後








2ヶ月後








3ヶ月後









1年後
最終補綴物を装着しました。
患者さんから義歯とインプラント治療は避けたいと希望され、要望に応えることができました。









2年1ヶ月後