重症歯周病の処置
症例 1 - vol.28 -
|
|
51歳 女性
上顎第1小臼歯咬合面から遠心部にかけて歯髄腔近くまでに及ぶ大きなカリエスが存在し、歯髄炎症状があります。
遠心側の歯槽骨はしっかりと存在しますが、近心側の骨は半分ほど溶けている状態です。
骨が溶けている部分に歯周外科手術(歯槽骨再生治療)を考えましたが、根管治療後(抜髄・水酸化カルシウム貼薬)、歯の近心移動と骨再生を同時に行う180度回転再植法を選択しました。
骨の再生に不可欠な歯根膜がしっかり存在している側を骨欠損している側に回転させ、健康な歯根膜を利用し骨の再生を期待します。
再植前に歯根膜を傷めずに抜歯する目的と歯槽骨再生に不可欠な歯根膜を伸長増殖させる目的で再植前に抜髄・貼薬・Extrusion(挺出矯正)をします。
1週間後 順調に挺出してきました。
再植時
抜歯した歯の歯根膜を観察すると骨と接していた側は健康な歯根膜を確認できます。この面を骨欠損している側にして再植します。
近心側の骨欠損が認められる部位の歯根膜が存在しません。
逆根管充填・貼薬後 180度回転再植
前後の歯の中間に位置するところで縫合固定しました。
1週間後
頬側の歯肉の一部にやや外科後の傷に伴う腫脹が認められますが、歯肉を切ったときの外科手術とは異なり、非常にきれいな術後経過です。
レントゲンでは再植直後の位置とほぼ変わらない位置で安定しているのが確認できます。
5ヶ月後
近心部の骨が回復傾向にあり、落差がなくなりました。
(回転再植後1ヶ月後に根管充填を行い、その2週間後に仮歯を装着しています)
第2大臼歯は第1小臼歯が落ち着いたため、動揺と骨を回復させるため、抜髄貼薬後自然挺出中
7ヶ月後
テンポラリークラウンを装着してもとても安定しています。
1年後
ファイバーポスト築造後最終補綴物装着 MBを装着しました。
(MBは技工士のご主人が製作)
骨が更に平坦化し、緻密になってきています。
末永く観察していきます。
MB装着1年後
安定しています。
最後臼歯は現在再植治療後固定中
上顎第1小臼歯咬合面から遠心部にかけて歯髄腔近くまでに及ぶ大きなカリエスが存在し、歯髄炎症状があります。
遠心側の歯槽骨はしっかりと存在しますが、近心側の骨は半分ほど溶けている状態です。
骨が溶けている部分に歯周外科手術(歯槽骨再生治療)を考えましたが、根管治療後(抜髄・水酸化カルシウム貼薬)、歯の近心移動と骨再生を同時に行う180度回転再植法を選択しました。
骨の再生に不可欠な歯根膜がしっかり存在している側を骨欠損している側に回転させ、健康な歯根膜を利用し骨の再生を期待します。
再植前に歯根膜を傷めずに抜歯する目的と歯槽骨再生に不可欠な歯根膜を伸長増殖させる目的で再植前に抜髄・貼薬・Extrusion(挺出矯正)をします。
1週間後 順調に挺出してきました。
再植時
抜歯した歯の歯根膜を観察すると骨と接していた側は健康な歯根膜を確認できます。この面を骨欠損している側にして再植します。
近心側の骨欠損が認められる部位の歯根膜が存在しません。
逆根管充填・貼薬後 180度回転再植
前後の歯の中間に位置するところで縫合固定しました。
1週間後
頬側の歯肉の一部にやや外科後の傷に伴う腫脹が認められますが、歯肉を切ったときの外科手術とは異なり、非常にきれいな術後経過です。
レントゲンでは再植直後の位置とほぼ変わらない位置で安定しているのが確認できます。
5ヶ月後
近心部の骨が回復傾向にあり、落差がなくなりました。
(回転再植後1ヶ月後に根管充填を行い、その2週間後に仮歯を装着しています)
第2大臼歯は第1小臼歯が落ち着いたため、動揺と骨を回復させるため、抜髄貼薬後自然挺出中
7ヶ月後
テンポラリークラウンを装着してもとても安定しています。
1年後
ファイバーポスト築造後最終補綴物装着 MBを装着しました。
(MBは技工士のご主人が製作)
骨が更に平坦化し、緻密になってきています。
末永く観察していきます。
MB装着1年後
安定しています。
最後臼歯は現在再植治療後固定中
|
|
→次のページ 症例集/犬の歯の治療(番外)
→次のページ デンタルラボ/F.Dラボ室