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破折歯の接着再植法

症例 16 - vol.82 -

63歳 女性




「右下の歯をブリッジにしましたが10回以上脱離と再接着を繰り返し、先日掛かりつけ医にブリッジの手前の歯も割れていると言われ、3本抜歯しインプラントか部分義歯を勧められました。現在ブリッジは接着し直してもまた同じ結果なので自分で着脱式にして使っています。できるなら抜かずに治療をしたいのですが…」と来院されました。




犬歯歯頸部に歯肉から歯質が飛び出し(矢印 黄)、唇側近心根尖付近にサイナストラクト(矢印 赤)が認められます。








ブリッジの支台は残根状態です。
犬歯は歯根破折が認められ、根尖上部の近心よりに根尖病巣らしき透過像も認められます。

3歯とも保存を強く望まれたため、できる限りの保存治療を手掛けることにしました。








犬歯の治療を行う前に臼歯部に仮の治療を行いました。(スクリューポスト+プロビジョナルレストレーション)
犬歯が落ち着いてから根管治療から再治療する予定です。









破折内面にはカリエスが認められますが、思ったより歯質がきれいでした。
歯根膜組織は破折面と根尖相当部が消失しています。









根尖孔(矢印)が根尖より3mm程手前で開口していて、周囲の根管内は黒く汚染されています。根尖より近心寄りに根尖病巣の透過像が認められたのは、根尖孔の位置と一致しています。



 







根尖孔を中心に汚染されている歯質をファイルで慎重に削合していきます。








汚染歯質を完全に取り除きました。








破折した歯質内面もきれいに整えました。



 







根管充填 逆根管充填 破折修復 デブライドメントを行いました。








再植直後
抜歯窩中央で固定しました。








1ヶ月後
固定wireが脱離してしまったようですが、患歯は生理的動揺で安定しています。








2ヶ月後
骨の回復が確認できます。









3ヶ月後  ビルドアップ テンポラリー装着時
サイナストラクトも消失し、骨も回復にあり歯槽硬線も認められます。









1年8ヶ月後
第2小臼歯は根管充填をレジンコアで行い、第2大臼歯はスクリューポストにて仮支台咬合面メタルプロビジョナルレストレーション(当医院オリジナル)にて長期観察していました。第2大臼歯遠心のマージンが骨縁にあるため、プロビジョナルレストレーションのマージンは骨縁に合わせず、歯肉縁に合わせました。
長期観察でかなり状態が安定していて、プロビジョナルレストレーションも脱離しないため、現状での補綴物製作に移行することにしました。









2年4ヶ月後
最終補綴物を仮着し経過観察していましたが、何ら問題がないため合着しました。
3歯とも保存することができました。