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難しい再根管治療

症例 4 - vol.45 -

47歳 女性



「1ヶ月前から頬側歯肉が腫れてきました。」と来院されました。
(12年前に根尖病巣により歯根端切除を行なった既往歴があります。)




患歯の根尖相当部の歯肉に腫脹が認められます。
腫脹した歯肉の上部から犬歯遠心部にかけて歯根端切除を行った時の切開傷跡が認められます。

レントゲン写真
根尖部は歯槽硬線が確認できますが、根尖周囲が黒っぽく見え骨梁が透けて見えます。これは根尖を垂直にカットしたのではなく、斜めにカット?したと思える像です。

患者さんは歯根端切除を行う前にも腫れた経験があることから、抜歯覚悟で来院されましたが、意図的再植法で保存できる可能性があることを提案したところ、同意が得られたため意図的再植法を行うことにしました。







再植前に補綴物の除去し、Extrusionを行います。







再植前 
順調に挺出してきました。(根管内のフックはExtrusion中に入れ替えています。)











想像していた通りに歯根が斜めにカットされていました。
頬側の歯根膜組織が広範囲にダメージを受けています。
根尖を切除しただけで、逆根管充填を行った形跡は認められません。



 






歯根端切除(垂直)、根管充填、逆根管充填を行いました。







再植直後







2週間後
安定しています。







1ヶ月後
根尖周囲の透過像が薄くなってきました。







2ヶ月後
根尖部の透過像に変化は見られませんが、安定しているようです。








3ヶ月半後







5ヶ月後(ビルドアップ テンポラリー仮着 1ヶ月半後)
骨が回復傾向にあります。







6ヶ月後







8ヶ月後
根尖部の骨梁が明瞭化し始め、歯槽硬線も認められるようになりました。







11ヶ月半後
補綴物を装着しました。







2年2ヶ月半後
順調です。
根尖部の骨梁が緻密になっています。