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難しい再根管治療

症例 21 - vol.105 -

20歳 女性



「中学生の頃にむし歯治療をしました。そして3年前に歯の痛みとともに歯肉が腫れ、2年前に神経治療をしました。最近以前と同じような歯の痛みと歯肉の腫れがあり、歯医者に行くと被せ物を外したため現在痛みはありませんが、これは治せないので抜歯と言われました。そのことを父親に話したらちょっと遠いけど自分が通っている先生に相談してみよう。」と父親と一緒に来院されました。




患歯(矢印)は樋状根で透過像(囲い)が存在し、遠心根は根管充填が不十分ですが、根尖から充填剤らしきものが飛び出した像が確認できます。(不透過像)










患歯の現在の様子です。
補綴物を除去したことで遠心部の歯肉が歯質に寄っています(矢印) 歯肉縁下にマージンが設定されているようです。

初診時レントゲンの根管充填状態は、遠心根は手つかずですが近心根は根尖部に向かって根管充填剤が広がっているのがわかります。

樋状根は複雑な根管が多く、歯冠部遠心も歯肉縁下まで削合され、総合的に治療するため意図的再植法にて対応することにしました。


 









根尖周囲にかなり大きな嚢胞が付着してきました。嚢胞周囲にGP片や水酸化カルシウムを認め、遠心は骨縁までむし歯が存在しました。









嚢胞を除去すると… 根尖孔が広くいびつな形態で、根管内からは多量の膿が排出されました。
(抜去歯固定器具は当医院オリジナル特注治具  株式会社ジーアクトさん製作)


 









再根管治療 根管充填 逆根管充填 欠損歯質再建 デブライドメントを行いました。










再植直後









2ヶ月後









5ヶ月後









6ヶ月後










3年3ヶ月後
最終補綴物を装着しました。
学校 就職 コロナ禍等でなかなか来院できなかった時もありましたが、根尖部の透過像もほぼ消失し、最終補綴物まで装着できました。
患歯の経過観察を含め、他のカリエス処置も進めたいですね。