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難しい再根管治療

症例 20 - vol.101 -

56歳 女性



「15年前に転倒して上の前歯を4本折り差し歯にしました。2ヶ月前に歯肉が腫れ鼻の付近が痛かったため耳鼻科を受診し、膿を注射器で吸い出し抗生剤を頂きました。耳鼻科の先生からこれは歯科の分野と聞いたためその後総合病院の口腔外科を受診しました。そこでは大きな嚢胞が存在し、ラバーダムをして精密な治療をしても治る確率は60%と聞き、専門医のお話を聞きたくて…」と来院されました。




根尖から遠心部にかけて透過像が確認できます。
透過像の様子から根尖部に限局した原因だけでなく、遠心面にも側枝およびセメント質剥離などの原因も考えられるので意図的再植法にて対応することにしました。










7ヶ月半後
外科処置に踏み切れず痛みもなかったのでそのまま放置していたようですが、唇側にサイナストラクトが出現しています。
当初の治療を強く望まれたため、引き受けることにしました。









補綴物の連結部を切断し、再植に先立ちExtrusionを行います。









順調に挺出しました。

 









抜歯窩を掻爬します。
炎症性組織が多量に存在します。


 









根尖周囲~遠心面にかけて歯根膜組織が消失しています。

これと言った原因が判明しませんでした。


 









再根管治療 根管充填 歯根端切除 逆根管充填 デブライドメントを行いました。









再植直後
根管はファイバー築造のためのスペースを確保しました。









1ヶ月後








2ヶ月半後
透過像内にわずかに骨様の不透過像が確認できます。









4ヶ月後








5ヶ月半後
透過像が薄くなり、骨回復が確認できます。

 







8ヶ月後
歯槽硬線が確認できます。









10ヶ月半後
ビルドアップ テンポラリーを装着して1ヶ月後









1年9ヶ月後
他の歯の治療もあったため仮歯で様子を見ていましたが、骨密度は増し経過良好です。








2年6ヶ月後
最終補綴物を装着しました。