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その他

症例 4 - vol.102 -

60歳 女性



「現在治療中の歯科医院で歯根破折と診断され抜歯を勧められました。過去にいろいろな歯科医院で何度も治療を繰り返してきた厄介な歯みたいですが、できるなら抜歯せず残したいのです。」と来院されました。




分岐部に斜めに破折線らしき像(矢印 赤)があり、透過像が確認できます。また近心根の分岐部に穿孔もしくは歯根吸収像が存在してそうです。(囲い 赤)
遠心根の一部も破折している模様です。(矢印 黄)










仮封剤を除去し診査すると… 遠心舌側に分離した破折片(矢印 黄)が存在し、頬側に破折線(矢印 赤)が確認できます。










再度一部に仮封しブラッシング指導2週間後
遠心舌側の破折片は動揺が著しいです。(矢印 黄)


 







頬側分岐部よりエアーをかける(矢印 青)と、分離した破折片と分岐部から排膿(囲い)が認められます。

少しでも自分の歯で過ごしたく保存を強く望まれたため、遠心舌側根は抜歯し、その後分岐部で分割を行い、残せる歯根を意図的再植法にて対応することにしました。


 







近心根と遠心頬側根は何とか保存できそうなので、可能な限りの処置をします。


 







遠心舌側根は保存が厳しいため抜歯し、近心根と遠心頬側根は再根管治療 根管充填 欠損歯質再建 デブライドメントを行いました。
(残存している歯質に茶褐色の着色を認めましたが、歯質が健康歯質と同様の硬さのため温存しました。)









再植直後








1ヶ月後









3ヶ月後









4ヶ月後








9ヶ月後
ビルドアップ テンポラリーを装着して1ヶ月後









1年後
最終補綴物を装着しました。