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歯の挺出(Extrusion)

症例 6 - vol.69 -

32歳 女性  (外科的挺出)



「10年前に神経を取る治療を受けました。3年前から別の歯科医院で患歯の着色と隙間が気になり受診すると、最初に臼歯の治療とホワイトニングを勧められたため従いました。そして1年ちょっと前に患歯の根管治療と被せ物のやり直しをしましたが、被せ物を入れたときから噛むと何となく違和感を感じ、突然被せ物が少しフワフワ動く感じがするようになりました。診査して頂くと歯根破折の診断を受け、インプラントかブリッジを勧められました。不信感が募りネットで色々調べ、もしかしたら他の方法(挺出法・再植法)で治せるかも…と思い」来院されました。







支台処置が悪く、おそらく支台築造をした周囲で何らかのトラブルに見舞われているようです。歯槽骨も吸収し始めていますが、補綴物を合着した時の余剰セメントの取り残しや歯石の影響 歯質の破片も考えられます。(矢印)

現時点で抜歯するほどの歯根破折と骨吸収は認められません。








被せ物を除去するため削合していくと、容易に外れたため患者さんが感じていたフワフワ感は被せ物の一部だけが付いていてほとんど外れかかっていたためと思われます。
一部のスクリューポストとコア材を除去し診査を行ないましたが、歯根破折は認められませんでした。遠心部は歯肉縁下に広範囲にコア材が詰められていることから、全てを除去してしまうとExtrusion中に矯正装置に肉芽組織が入り込んでしまうため、一層コア材の壁を残してExtrusionすることにしました。

将来的に骨の回復・歯頸線の位置を考慮に入れ、Extrusionのみで保存するのではなく、抜歯して歯根の状態をしっかり把握し破折が認められれば修復処置を行ない、破折が認められなければ再根管処置を行ない外科的挺出にて保存することにしました。








抜歯窩を観察すると炎症性組織にめり込んでいる歯質の破片が認められます。(矢印)
レントゲン上に写っていたのが歯質の破片と判明しました。


 






別の炎症性組織の下にも同じく確認できます。
これらの歯質の破片を丁寧に取り除くと、5 ~ 6片除去できました。
おそらく以前から歯根周囲の歯質が欠けて排除できずに残っていたため、骨吸収の原因の1つになっていたと思えます。

 








抜去歯を観察すると、根管口周囲はカリエスで歯質がとても脆く、ボロボロと砕け落ちる状態でした。







囲いの部分がカリエスにより脆い歯質でしたが、歯根が少し細くなっているため、周囲の歯質が崩壊してなくなってしまっていたのでしょうか。そしてその一部の歯質の破片が歯肉に埋まっていたと推測できます。


 







カリエス除去 根管治療 補強 を行ない、健康な歯根を残しました。







再植直後
フェルールの確保と骨回復を期待し抜去歯を位置決めし、固定しました。








1ヶ月後







3ヶ月後
ビルドアップ テンポラリー装着







4ヶ月後
歯槽硬線が明瞭になってきました。








5ヶ月後
骨が緻密化してきています。







6ヶ月後


 





9ヶ月後
オールセラミック(ジルコニアフレーム)を装着しました。
歯肉の着色もなくなり遠心の骨が平坦になりました。